最後の恋、最高の恋。



「ここに可愛い店があるんだよ」

「……知ってます」


そう。

ここに入っているお店は、可愛いものがたくさんある店が多い。

つまり、お高い店だけど若者向けのものが大半を占めているという、珍しい百貨店だ。

去年できたばかりなのに、人気が高くて話題性があるから情報だけは仕入れいているけど、自分じゃとてもじゃないけど手が伸びない。

たまにボーナスが出たときに、自分へのご褒美に1つ買うくらい。


エレベーターから降りたフロアは、婦人フロアだった。

まだ私は数回しか来たことがなくて、どこに何があるかなんて全然分からないのに、坂口さんは案内板を見ることなく、私の手をひいて一直線にどこかへ向かっていく。

多分、その店でパジャマを買うんだろうけど、なんでそんなに慣れているんだろう。

誰かとここに何度も来たことがあるんだろうか、なんて変なことを考えて勝手に自爆。

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