最後の恋、最高の恋。

そんな不安をよそに、坂口さんはまっすぐにパジャマがかけられているブースへとむかっていたらしくて、立ち止まったところにはいろいろなパジャマがあった。


……可愛い、すっごく可愛い……んだけど、どこに何があるかまで把握している坂口さんっていったい何者なんだろう。



「んーと、これとかこれはどう?」


こんな時こそ気づいてほしい私の考えに、坂口さんは気づくこともなく2種類のパジャマを選び出して私の身体に合わせだしている。

白い半そでパーカーにショート丈のパンツのものと、それと色違いの淡いピンクのもの。

二つの違いは白がフードに猫耳がついていて、もう一つがうさ耳だという点だ。


「や、だからですね、私こんなに高いもの買えないですって」

「これ、フードのところ猫耳になってて可愛いね」


白い方を若干持ち上げた坂口さんがにっこりほほ笑む。


……分かった。

坂口さん、あえて私の考えとか言葉をスルーしてる。

ホント、宮田さんが言ってたみたいに、外見はカッコイイ大人なのに、中身は子供だ。
ちょっと扱いづらいけど悪い奴じゃないっていうお姉ちゃんの言葉は、的を得ている。

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