最後の恋、最高の恋。
この人に会いにここに通ってるから、この百貨店にも詳しくて、この店の場所も覚えているんだろうか、なんて邪推してしまう。
でも“お二人の関係は?”なんて聞けないでいる私は、気にしてない風を装って選んでいるふりを続けるしかできない。
「いや、どれにしようかって悩んでるらしい」
「なによ、全部買ってあげればいいじゃない」
「って言ったんだけど、全力で拒否された」
「なんでそこで押し切らないかなぁ? だからヘタレって言われるのよ」
バシンと豪快な音が鳴るくらい背中を叩かれた坂口さんが、「いってぇ!」と声を上げたから、さすがに選んでいるふりを続けることができなくて、二人の方を振り返った。
すぐ近くで言い合いをする二人は、とても仲睦まじく見える。
喧嘩するほど仲がいい、というのはきっとこういうことを言うんだと思えるくらい、私から見てもお似合いだ。