この先生は危険人物につき注意してください
「じゃ局長、こいつどうするんです?」

真弓は木刀の先でみのるを突きまくり、局長はそれを微笑みながら観閲していた。

「そうね・・・一応、『文芸防衛組』に対しての人質だから彼等の行動次第で可哀想だけど罰でも見せつけないと」

「あのう・・・やめてくれません?俺なんかしまし・・・うぷっ」

話を遮るように頬に木刀を突き付ける真弓はもう楽しんでるようにしか見えなかった。

こいつ、いつか覚えてろ。

それを見て局長は笑ってる。なんか哀しくなってきた。

「ごめんなさい、これも仕事だから」

「仕事?」

「君一年生よね?しかも他中からの入学で。このちっさな子は真弓って言うんだけど、真弓は中学は学園中等だったから知ってるけどね?学園、『学園活性化条約』ってのか始まってから文芸部を無くそうって活動が始まったの」

いきなり訳の分からない事を話し出したと思ったら、とてつもない事を言ってる局長。みのるは直ぐに間違ったことと気付き聞き直す。

「な、なんで文芸部を無くそうって決めたんです?」

「知らないわ。でも、半数の教師が反対してね。文芸サイドに行っちゃったんだ」

「半数って・・・もう半数の教師はそれに賛成したんですか!?」

「ええ」

「なんで!?」

「そりゃだって、学園は私立校。もし自分の受け持つ部が全国大会に出場したり優勝したりしたらそれだけで二倍の御給金が貰えちゃうんだもん。学園の部の顧問はみんな張り切っちゃってるけど、部員は知らないから可哀想よね」
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