そんな顔すんなよ
おじさんもみんなで行こうとか言わないでくださいよ。ここに凉菜と離れたくない情けない男がいるんですよ。
「優輔もちゃーんとお父さんやお母さんを大切にするんだよ?」
「当たり前。凶暴じゃねーし」
「わからないわよー?イマドキの高校男子は何をするかわからないからねっ」
「お前はオバサンか」
いつもみたいにやり取りをしているのに、心の中には大きな穴がある。
病気じゃねーけどな。でもある意味、一種の病気にかかったのかもしんない。
「優輔、たこ焼き食べようよ!」
「あれ?大阪のたこ焼きはどうなんだよ」
「ここのたこ焼きも美味しいじゃん!ほら、食べようっ」
子供のように目を輝かせながら、たこ焼きを見つめる凉菜。
ここのたこ焼きはたまに凉菜と食べる。毎日よりたまに、がいいくらいの味なんだ。