千年の追憶【完】
こんなことの為に、俺は水菊の部屋まで来たんじゃない。


必死に自分に言い聞かせる。


「あの…早時様…?
ご用があるのでは?」


俺の様子がおかしい事に気づいたんだろう。


水菊はそっと胸元を隠すように手を動かした。


少し不安な表情になっている。


そんな水菊の不安な表情が、たまらなく俺の感情を揺さぶった。


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