30才の初恋
弘平が私たちを追いかけて来た。




「明日美を返せ。」




「おまえ誰?」




「明日美の友達1号。」




弘平、斗真と関わると何をされるか分からないから、お願いだからこっちに来ないで。




「おまえに用はない帰れ。」



お願いだから、弘平帰って。



「あんた間違ってるよ。それでも明日美の彼氏。」




弘平が私たちの前に立ちはだかる。




「マジ、おまえうるさい。明日美に関わるな、いいか明日美は俺しか好きにならない。」




斗真、その自信はどこから来る訳なの。




私が斗真しか好きにならないなんて、どうして言えるのよ。




「斗真下ろして、下ろしなさいよ今直ぐ!」




暴れてやるんだから。




私が今まで、どんな思いでいたか分かる。




浮気男なんか絶対に許さない。




悔しいから絶対泣かない。



「下ろさないと斗真を嫌いになる。」




斗真が歩くのを止めた。




分かった、そう言って斗真が私を下ろした。



何も分かってない。私がどんな思いでいたかなんて知らないでしょ。




斗真なんて嫌い、大嫌いだ。




なんで、どうして、いつもこうなるのかな。



ただ、斗真を好きだけじゃ、どうして駄目なんだろ。












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