犬と猫…ときどき、君
「もう篠崎君達いないんだから、城戸が院長でもいいでしょー!」
「お前アホか。俺に院長出来るかよ」
「何でちょっと誇らしげなの!?」
本当にこの男は、悪びれもせずに何を言っているのか。
「大体な……“美人女医が院長の動物病院”の方が何かと話題になるだろ?」
「バッカじゃない!? そんな事で人を使わないでよ!!」
「二人ともいい加減にしなさいよっ!! 待合でみんな待ってるんだから!!」
止《とど》まる事を知らない私達の言い合いに、こうして終止符を打つのもマコの仕事。
「だってー!!」
「“だってー!!”じゃないでしょ!? 早く診察始めなさいよっ!!」
それにちょっと唇を尖らせた私だけど、気を取り直していつもの一言を口にする。
「今日も一日、頑張りましょう。宜しくお願いします」
「お願いしまーす」
私の一言を合図に、診察室に散り散りになって行くアニテク達の後ろ姿を、溜め息交じりに見送った。