彼氏の余命を知ってる彼女。


もうそんな時間?私、そんなに寝ちゃった?


首を傾げ、不思議そうに時計を見ているとフワッと冷たい風が吹いた。



「…たまに居るんだよな。無意識に来てしまう奴」


低い声が無の世界に響き渡る。


え?と小さく声を漏らし、声のした方を振り向くと私の心臓が大きく跳ね上がった。



黒のマントのようなモノで全身を包み、目は鋭く真紅色。そして私に恐怖を抱かせる大きな切れ味の良さそうな大きな鎌を担いだ男の人──。


初めての会う“人”なのにすぐに何者かわかってしまった。




「…………────死神」



    
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