彼氏の余命を知ってる彼女。
「ハァハァ…うっ…おぇ」
いきなり呼吸が苦しくなり、吐き気に襲われ、便器に向かって胃液を戻してしまった。
履いたと同時に涙がポロポロと溢れ出し、床に水滴を作る。
「う…うぁあ…っ!」
昨日はまだ夢の中だったから自分の心の中でまだ実感が湧いてなかったけど、ヒカルを見て、本当の本当に事実だとわかり、一気に気持ちが溢れてしまった。
声を抑えきれず、おもいっきり泣いていると、誰かがトイレの入口のドアを開ける音がした。
慌てて口を塞ぎ、戻した胃液を流す。
「…ふ…っ」
「ヒナ?どうしたの?大丈夫…?」
必死に嗚咽を抑えてる私に対して、入口のドアを開けて私の名前を呼び、心配そうな声で私に話しかけるアズキの声。