彼氏の余命を知ってる彼女。


それは今日泣いた痕じゃない。昨日、涙を流した痕の様な目の赤さ。


それを見て、動揺してしまう自分が居た。


「ヒカル…その目…」


私がヒカルの目を見ながらそう呟くと、バッと一瞬で私から離れ、自分の片目を手で隠すヒカル。


その行動に胸がチクリと痛む。


「え…、目赤い?…まじかー!昨日、遅くまでゲームしていたからかな。…あ、もうチャイムなるから席に戻るわ。もう元気そうで安心した。…じゃあ」


ヒカルは一方的に話して、自分の席へと戻ってしまった。


それと同時にチャイムがなり、一限目の授業が始まった。



    
< 38 / 251 >

この作品をシェア

pagetop