彼氏の余命を知ってる彼女。


それだけで“好き”が自分の中で積もるのがわかる。


ヒカル…、大好き。



* * *


数分道を歩き、私達は駅に向かい、電車に乗り込んだ。


電車の中は、休日だというのに空いていて、人のギュウギュウ詰めを免れた。


「今日は暑いな」


ヒカルが手で顔をパタパタ扇ぎながら呟く。


「うん、この天気は好き」


と、言いながらヒカルの顔を横目でみる。



…何度見ても整った顔立ち。駅に着くまでの道のりで何人の人に振り返られただろうか。

それは女子高生、大人関係なく。


ヒカルは高校生とは思えないくらい大人っぽくて、背も高い。


私服を着れば、高校生には見えない。それはもちろんいい意味で。


そんなヒカルが私のような寸胴女と歩いている時点で不釣り合い。


    
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