彼氏の余命を知ってる彼女。


「あぁ、君がここに来れるのは、冥府の入口と人間界のちょうど狭間に小さな亀裂がはいっているからだ。いつもは塞がっているのだが、最近また小さな亀裂がはいり、君も含め人間が四人も迷い込んできた」


いつもは無表情な死神でも、珍しく目を細め、迷惑さが伝わってくるような言い方で説明してくれた。


…そうか、ここは冥府の入り口なんだ…。


それに、私以外に後三人もこの場所に来ていたなんて──。


なんだか不思議な気分。


「そうなんですか…。私、早く目が覚めるといいですね」


「全くだ。亀裂が出来たせいで我々は最近苦労の日々だ」


そう言いながら死神は私を睨む。


…私にそう言われても。


    
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