彼氏の余命を知ってる彼女。


──昨日、夢の中で死神から貰ったガラス玉。


“御守り”と言っていた死神の顔が頭から離れない。


何故か悲しそうで、微かに揺れる瞳が何かを語っているような気がして…。


でも私の気のせいかもしれないから…、それを問う事は出来なかった。


「…知り合いの人から貰ったんだ」


「…そう。机の上なんかに乗せてたらいつか無くすわよ。しまっておきなさい」


「うん…」


何故お母さんがガラス玉の事を聞いたのかわからないが、私はそう返事し、パンにかぶりついた。


    
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