≡ヴァニティケース≡
今のところ犯人からの接触はない。そればかりか、脅迫メールや無言電話さえもない。ストーキングを受けている証拠となるものは、一切存在しないのだ。この状況で警察に相談してみても、恐らくまともに取り合っては貰えないだろう。助けを求めて訪れた筈の警察署で「まあ、何か有ったらまた来て下さい」と、退屈そうに言われ、しかしその後に悲惨な運命を辿った被害者も決して少なくないと聞く。冤罪を防ぐのは確かに大事なことだが、それに依って罪のない命が脅かされてしまうのは腑に落ちない。法を、市民の安全を守る為の警察としては本末転倒と言える。
しかし実際問題、起こってもいない事件に対して捜査を行うほど、警官の数に余裕が無いのも確かだ。ここは、もっと確実に抑止力を発効する法律の制定を立法府に期待するしかない。