≡ヴァニティケース≡
「心配有りません。車にGPS発信器を放り込んでおきましたから」
「中島! 良くやった」
いい部下がいてくれて幸運だった。彼が肩から下げていたPCを開いて立ち上げると、思惑どおり赤い点が地図上を点滅しながら移動している。
「これです」
「よし、ひと先ず車まで移動だ、奴らを追うぞ! 撥ねられた岡村は酒井が拾ってやれ」
荒くれ男達は急ぎ、駅へと走って行った。遠くからパトカーのサイレンが聞こえていたが、駅の雑踏に潜ってしまえば警官も追ってはこれないだろう。奴らが駅員に警察手帳を見せている内に、車へ乗り込む算段だ。