恋イチゴ


希祈は度々溢れそうになるため息を飲みこんで、自分のほっぺたを思いっきり2回たたいた。

大丈夫。
私だって少しくらい、強くならないと。


と自分を奮い立たせた。

恐怖感に負けないように、大きく息を吸って、なるべく胸を張って歩く。

心臓が、どくどく音を鳴らす。
それは、さっきまで感じていた音とは全く違かった。

焦って、何度も足を滑らせそうになる。
その度に全身の毛穴から汗が吹き出るように感じる。
しかし、実際、汗をかくほど身体は暑くない。
むしろ冷えきった身体に鳥肌が立っていた。




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