ジェフティ 約束
「ああ、本当だよ」
 インサはしょんぼりとうなだれ、干草を握り締めて言う。
「仕方がなかったんだ、この土地を離れるには、金が必要だったんだよ」
 最初から、ラルフの荷物が目的だったんだと、インサはつぶやいた。
 シェシルが荷物を担ぎ馬の綱を解き始めるのを見て、ラルフはのろのろと立ち上がった。
「シェシル……、よくインサを殺らなかったよね」
 ラルフが馬の手綱を受け取りながらポツリと言った。シェシルはぎろりとインサに一瞥をくれる。
「こいつがお前の居場所を知っていなかったら、今頃街の外の草むらの中で死んでただろうよ」
「ひぇ!」
 と、インサが縮こまった。

 シェシルの瞳が再び邪悪に光りだした。
「それとも、これから連れていってやろうか?」
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