ジェフティ 約束
「どうやって、ラドナスまで来たんだ?歩いてだったらもっとかかったはずだよ」
 シェシルは、昨日の夜とはうって変わって静かな表通りの露店の前を通り過ぎ、街を歩いている。まだ朝早いとはいえ、店の開店の準備を始めた店主たちがちらほらと表の掃除をしたり、商品を棚に出したりしてる姿を見かけた。その誰もが手を止めて、通り過ぎるシェシルの姿を目で追っている。
 皆一様に節目がちに、遠慮したような仕草だが、その目に侮蔑の色が浮かんでいることにラルフは気が付いた。しかし、見てみぬふりをして後ろをついていく。
「ノベリア軍の馬が一頭あったから、それに乗ってきたんだ。朝方着いたばかりだ」
「門が開く前?夜通し馬に乗ってたの?」
 やはり相当迷いながらも、強運なことにここに着いたという感じだ。ラルフよりも倍ぐらいの時間がかかっている。
「馬の上で居眠りしていたら、ここにたどり着いていた」
 ――そうか、馬が連れてきてくれたんだな。感謝しろよ。
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