ジェフティ 約束
 シェシルの暖かな思い出があふれ出してくる。
「村の人たちもその兵士と同様にお人好しばかりで、身寄りのなくなった私に皆親切にしてくれた。
 だけど……」
 そしてまたシェシルの語尾が曇る。

「だけどね、私の身のうちに灯った憎しみは、どうしようもなく膨らんでいったんだよ。きっとその兵士も、親切だった村人もみんな、私にそれを望んだんじゃないのは分かっていたけど、それでも私は、自分の故郷を焼き払った、両親を殺された、そのやり場のない憎しみを抑えることができなかった。
 私は、もうその村にいる事はできない。もうこれ以上自分の大切な人が傷つくのを見たくなかったから。何よりも、憎しみを抱いた私の姿を見て欲しくなかったから。
 その思いだけで村を飛び出して、流浪の旅を続け、国籍を失っていた私は、いつの間にか傭兵という身分になっていたんだ」
 ふふっ、とシェシルが悲しそうに笑い、傷跡の残る両手を広げて顔の前に掲げた。
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