ジェフティ 約束
アスベリアは慇懃(いんぎん)に恭しく一度頭を下げると、するりと音もなく立ち上がり、マントを翻して戸口へと向かう。部屋の端に棒立ちになっていた爬虫類の顔をした男へ一瞥をくれると、わざと口の端を上げて侮蔑の笑みを送り、扉を開けて廊下へと出た。
「まったく、平民上がりというものは……。礼儀というものをわきまえておりませぬ。ナーテ様、あのような下賎の者のことなどで、お心を痛めませぬよう」
扉を閉める瞬間、爬虫類の顔をした男が、ナーテ公へと慰めの言葉をかけるのが聞こえてきた。
「あのようなものと同じ部屋におったかと思うと、身の毛もよだつ。
胸が苦しい。早よう、窓を開けて風を通せ!女たち!何をしておる!酒を注ぐのじゃ!」
アスベリアはふんっと鼻で笑ってその前から立ち去り、赤い絨毯の敷き詰められた廊下を歩き始めた。
「まったく、平民上がりというものは……。礼儀というものをわきまえておりませぬ。ナーテ様、あのような下賎の者のことなどで、お心を痛めませぬよう」
扉を閉める瞬間、爬虫類の顔をした男が、ナーテ公へと慰めの言葉をかけるのが聞こえてきた。
「あのようなものと同じ部屋におったかと思うと、身の毛もよだつ。
胸が苦しい。早よう、窓を開けて風を通せ!女たち!何をしておる!酒を注ぐのじゃ!」
アスベリアはふんっと鼻で笑ってその前から立ち去り、赤い絨毯の敷き詰められた廊下を歩き始めた。