ジェフティ 約束
「其方(そち)、予がわざわざ迎えに参ったというに、巫女姫の無事を確認したいと思う、予の心根がわからぬのか!恐れ多くも王弟で在らせられるクレテ殿下が、其方だけでは頼りない、迎えに行って参れ、と直々に予に命を下されたというに!」
ナーテ公はまるでかんしゃくを起こした子供のように、両手を振り回して喚いた。手に持っていた金色のゴブレットからぶどう酒がこぼれ、女たちの上に撒き散らされると、女たちは悲鳴を上げて公の体から離れ、次々と隣の部屋へと駆け込んでいった。
辺りが一瞬静かになる。
ナーテ公は、上気した顔を周囲に向け、呆けたように口をぽかんと開けた。
「静かになりました。これでゆっくり公のお言葉が拝承できるというもの」
アスベリアの静かな物言いに我に返ったのか、ナーテ公が振り上げていた手をゆっくりと下ろす。
「もうよい!其方と話しておるだけで酒がまずくなるわ!下がれ!」
ナーテ公はまるでかんしゃくを起こした子供のように、両手を振り回して喚いた。手に持っていた金色のゴブレットからぶどう酒がこぼれ、女たちの上に撒き散らされると、女たちは悲鳴を上げて公の体から離れ、次々と隣の部屋へと駆け込んでいった。
辺りが一瞬静かになる。
ナーテ公は、上気した顔を周囲に向け、呆けたように口をぽかんと開けた。
「静かになりました。これでゆっくり公のお言葉が拝承できるというもの」
アスベリアの静かな物言いに我に返ったのか、ナーテ公が振り上げていた手をゆっくりと下ろす。
「もうよい!其方と話しておるだけで酒がまずくなるわ!下がれ!」