ジェフティ 約束
 ジェフティに触れられなかった。でも、痛いほどの恐怖は伝わってきた。振り返ったときに見せた笑顔は、それをラルフに隠すため。
 ――なぜ隠そうとしたんだろう、ジェフティ。
 ラルフはラピスラズリのピアスに指先を触れさせた。二つで一つのピアスの片割れ。どこにいても、離ればなれになっていても、必ず二人を引きつける力があるという石。
 薄暗い部屋の中で、ピアスを外して、その濃密なほど青く深い色を湛えた石を手のひらの上で転がしてみた。
 ラルフたちを夢の中で再会させてくれたのがこの石の力なら、今すぐ教えてほしかった。ジェフティが感じていたあの恐怖は、赤い星とはなんだったのか。
 怖い思いはしていないだろうか。ひどい扱いは受けていないだろうか。泣いてはいないか。
 しかし、心の底から望んでみても、語りかけても、石は何も答えてはくれない。
 離ればなれになってまだ、そんなに日にちが過ぎたわけでもないのに、ラルフは今すぐジェフティに会いたい。そう痛切に思った。
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