ジェフティ 約束
シェシルはふと目を覚ました。すぐそばで何かが動く気配がしたからだ。相変わらず雨は降り続いている。雨脚が強まってきているところを見ると、夜も近いということだろう。頭上の木の枝から、寄り集まって大きくなった雨粒が、ばらばらと音を立ててシェシルのフードを叩いた。
「シェシル、起きたの?」
「ああ」
先に目を覚まして干し肉を袋から取り出していたラルフが、身を起こしたシェシルに大きなそれを手渡した。
ぐっすりと寝込んでいるインサを揺り動かして、ラルフが声をかけているのを横目で見ながら、シェシルは干し肉を口にくわえたまま、懐から皮帯とツロ綿の細い帯を取り出した。
革帯は、なめし皮に金板を裏打ちした手首を保護する道具だ。まずはツロ綿の白い帯を手の甲に丁寧に巻いていき、腕の中ほどまで覆うと手早く止める。剣を握ったときに、柄に伝ってくる血で剣がすべるのを防ぐためだ。手首に革帯を巻きつけ、手を握ったり開いたりして具合を確かめた。
「それは何?」
ラルフがシェシルの手元を覗き込む。
「シェシル、起きたの?」
「ああ」
先に目を覚まして干し肉を袋から取り出していたラルフが、身を起こしたシェシルに大きなそれを手渡した。
ぐっすりと寝込んでいるインサを揺り動かして、ラルフが声をかけているのを横目で見ながら、シェシルは干し肉を口にくわえたまま、懐から皮帯とツロ綿の細い帯を取り出した。
革帯は、なめし皮に金板を裏打ちした手首を保護する道具だ。まずはツロ綿の白い帯を手の甲に丁寧に巻いていき、腕の中ほどまで覆うと手早く止める。剣を握ったときに、柄に伝ってくる血で剣がすべるのを防ぐためだ。手首に革帯を巻きつけ、手を握ったり開いたりして具合を確かめた。
「それは何?」
ラルフがシェシルの手元を覗き込む。