ジェフティ 約束
「中に金板が入っているんだ。手首を保護するのと、ちょっとした攻撃も受け止められる」
シェシルが革帯の手首側に押された小さな焼印を見て目を細めた。
――Cへ N。
バラの花の模様の中心に、小さなアメジストが埋め込まれていて、その脇に小さくイニシャル。
――シェシルへ ニーラムより。
ニーラムはやけにこの装飾にこだわっていた。ニーラムがシェシルのために作って贈ったものなのだ。
――こんなもんでも、着飾っておかなくちゃな。お前は女なんだし。
照れくさそうに笑ったニーラムの顔が思い出され、懐かしさで胸が痛んだ。先ほど見た夢の余韻が、シェシルの心を揺さぶっている。
インサがよろよろと立ち上がり、大きな荷物を背負ったのを見届けると、シェシルも立ち上がった。誰もが過去の自分を超えて今の自分になるのだ。今の自分は未来の自分への糧になる。
「さて、行くか」
三人は降りしきる雨の中、森の中を歩き始めた。
シェシルが革帯の手首側に押された小さな焼印を見て目を細めた。
――Cへ N。
バラの花の模様の中心に、小さなアメジストが埋め込まれていて、その脇に小さくイニシャル。
――シェシルへ ニーラムより。
ニーラムはやけにこの装飾にこだわっていた。ニーラムがシェシルのために作って贈ったものなのだ。
――こんなもんでも、着飾っておかなくちゃな。お前は女なんだし。
照れくさそうに笑ったニーラムの顔が思い出され、懐かしさで胸が痛んだ。先ほど見た夢の余韻が、シェシルの心を揺さぶっている。
インサがよろよろと立ち上がり、大きな荷物を背負ったのを見届けると、シェシルも立ち上がった。誰もが過去の自分を超えて今の自分になるのだ。今の自分は未来の自分への糧になる。
「さて、行くか」
三人は降りしきる雨の中、森の中を歩き始めた。