ジェフティ 約束
「何を……」
呟きは風の音で掻き消えた。手入れの行き届いた庭に植えられたケルカの木が、ざわざわと風に揺れている。その足元で、初夏を感じさせる眩しい日差しに目を細めながら、男が一人佇んでいた。手には小刀を持ち、もう片方には見事に咲き誇る花を握り締めていた。
――庭師の仕事じゃないのか?
アスベリアの怪訝そうな表情を読み取ったのか、男がはにかみながら近づいてくる。鍛え上げられた見事な体躯を薄手の上着が包み込んでいる。額にはうっすらと汗が光っていた。
「今日は朝から暑いな。そんな正装をしていたらたまらんだろう」
男は朗らかに笑った。
「ペルノーズ……様」
アスベリアは頭を下げた。
「私の前では、そんな堅苦しい態度はやめてくれよ。歳も近いことだし」
アスベリアはノリスの顔をまじまじと見た。やはり、その物腰のどこからも噂から聞き及んでいる姿など想像できなかった。ノリスはにっこりと微笑むと、手に握り締めていた花束をアスベリアに差し出す。
呟きは風の音で掻き消えた。手入れの行き届いた庭に植えられたケルカの木が、ざわざわと風に揺れている。その足元で、初夏を感じさせる眩しい日差しに目を細めながら、男が一人佇んでいた。手には小刀を持ち、もう片方には見事に咲き誇る花を握り締めていた。
――庭師の仕事じゃないのか?
アスベリアの怪訝そうな表情を読み取ったのか、男がはにかみながら近づいてくる。鍛え上げられた見事な体躯を薄手の上着が包み込んでいる。額にはうっすらと汗が光っていた。
「今日は朝から暑いな。そんな正装をしていたらたまらんだろう」
男は朗らかに笑った。
「ペルノーズ……様」
アスベリアは頭を下げた。
「私の前では、そんな堅苦しい態度はやめてくれよ。歳も近いことだし」
アスベリアはノリスの顔をまじまじと見た。やはり、その物腰のどこからも噂から聞き及んでいる姿など想像できなかった。ノリスはにっこりと微笑むと、手に握り締めていた花束をアスベリアに差し出す。