ジェフティ 約束
 丘の上から、そして船で海側から、コドリス軍に包囲され、深手を負いたくなければ去れと圧力をかけられた。アスベリアたちは、体制を立て直すために、ここは一時退却をするべきだと判断した。
 しかし、そんな戦況を聞いて、いてもたってもいられなくなったノベリア国王ザムラス=アルデは、そんな最前線へと近衛兵を連れてのこのこと現れたのだ。王の所在を表す錦旗をこれ見よがしに掲げて。
「何をしておるのだ!敵に背中を向けるとは、ノベリアの……、余の面恥(つらはじ)ではないか!」
 この期に及んでも、まだ自分の面子に基軸を置く王の態度に、軍の士気は一気に下がってしまった。王はその気配も察することなく、激しく叱責(しっせき)すると、ノリスたちの反対を押し切り、自ら軍を率いて最前線へと、コドリスが包囲しているドレイクの王都内へと躍り出たのだ。
 これで勢いついたのはコドリスの軍だ。ザムラス国王を落とせば一気にシンパだけではなくノベリアまでも手に入る。あっという間に戦陣は崩され、国王軍はなす術(すべ)もなく混乱に陥った。
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