ジェフティ 約束
「シェシルは、ルシオンテで両親が殺されたって言ってた」
一瞬、老人の表情に悲しみが沸いたが、すぐにそれは炉が放つ光に包み込まれてしまった。
「シェシーの母親は、わしの幼馴染、カジファルに連れられて村に来た。年の離れた夫婦でなぁ。母親はいつもフードを目深にかぶっておって表情も見せんほどの、陰気な女だったよ。
小さな村だったし、よそ者を嫌っておったから、夫婦は進んで村はずれに住まいを持っとった。カジファルは腕のいい職人だったが寡黙な男で、村人もあまり係わり合いを持ちたくなかったから、そのまま傍観しとったんだが……、生まれたシェシーがな」
シェルグ老は、そこでふと口を噤む。
「シェシルが、なに?」
「……アメジストの瞳。悪魔の招来と年寄りが騒いでな。母親があの陰気さで余計に魔女だなんだと蔑まれたんだよ。まあ、元から村人との係わり合いを拒んでおったから、シェシーが生まれてからもそんなに変わりはなかったが……、シェシーは可哀相だったがな」
シェルグ老は、テーブルに置かれた長剣に目をやりながらぽつりと言う。
「その長剣、カジファルの作だな。シェシーのものと対になっとる。間違いなく最後の名刀だろう。わしがこの歳になるまで打ち続けておっても、到底その長剣には及ぶものは作れまいて。ルシオンテの技は、あの時全て失ったのだからな。
一瞬、老人の表情に悲しみが沸いたが、すぐにそれは炉が放つ光に包み込まれてしまった。
「シェシーの母親は、わしの幼馴染、カジファルに連れられて村に来た。年の離れた夫婦でなぁ。母親はいつもフードを目深にかぶっておって表情も見せんほどの、陰気な女だったよ。
小さな村だったし、よそ者を嫌っておったから、夫婦は進んで村はずれに住まいを持っとった。カジファルは腕のいい職人だったが寡黙な男で、村人もあまり係わり合いを持ちたくなかったから、そのまま傍観しとったんだが……、生まれたシェシーがな」
シェルグ老は、そこでふと口を噤む。
「シェシルが、なに?」
「……アメジストの瞳。悪魔の招来と年寄りが騒いでな。母親があの陰気さで余計に魔女だなんだと蔑まれたんだよ。まあ、元から村人との係わり合いを拒んでおったから、シェシーが生まれてからもそんなに変わりはなかったが……、シェシーは可哀相だったがな」
シェルグ老は、テーブルに置かれた長剣に目をやりながらぽつりと言う。
「その長剣、カジファルの作だな。シェシーのものと対になっとる。間違いなく最後の名刀だろう。わしがこの歳になるまで打ち続けておっても、到底その長剣には及ぶものは作れまいて。ルシオンテの技は、あの時全て失ったのだからな。