ロ包 ロ孝 2
 ティーも心配そうに呟いた。

「………!……!」

「そうですね、ボス。
 おい雷児【北斗】で飛べるか?」

「はい。晋君をアジト迄運ぶんですね?」

「俺と交互に息継ぎしながら飛ぶんだ。出来るか?」

「任せて下さいよジェイさん。いつでもどうぞ」

 雷児とジェイから両腕を抱えられながらも「大丈夫、大丈夫」と連呼していた晋は【北斗】を使う2人に依って強引に上空へ連れ去られる。

「ヒィェェェエエエ……」

 彼の情けない叫びと砂煙を残して3人は飛び去った。

 ティーはユウレイ達をアジトへ急ぐよう身振りで促す。

「あっしらはそうしますが、ボスは?」

 ティーは極力全身の力を抜くようにして、注意深く静かに口を開く。

『俺はもうひと回りしてから帰る。お前らも何か有ったらすぐ連絡しろ』

「へい解りやした。お気をお付けなすって」

 ユウレイ達を見送るとティーは【者】を使って走り出していた。


〇※○※○※


 それは数日前の事。

「よっサン! しっかりしろ、よっサン!」

「ああ……雷児。おめぇがしっかりしねえかぁ。ちゃんとティーさんを支えるんだぜぇ」

 フルフルと頼りなく差し出された皺だらけの手を握って、雷児が叫ぶ。

「よっサン! あの話、聞かせてくれんだろ? ほら、ボスから受けた大恩の話さ」

 力無く微笑むとよっサンはこぼした。

「ああ、……あの長い話を何度も聞いてくれて、ホント有り難うなぁ雷児ぃ」

「なんだよぉ、よっサン。知ってて話してたのかよぉ」

 雷児は頭を掻きながらあぐらをかいた。

「でも、俺がお好み焼き盗み食いしてんの、良く見逃してくれてたもんな。
 それでおあいこだぁ、よっサン。な?」

 雷児がそう言って振り返ると、既によっサンはこと切れていた。その顔は安らかで、微笑んでいるようでもあった。

「よっサン! ウソッ、死ぬな、よっサァァァアン。折角拾って貰った命を無くしちまったらしょうがねぇだろぉ?」

 肩を揺すって何度問い掛けてみてもよっサンは答えない。

「畜生っ! 墨刀の奴らぁ許さねぇ! よっサァァァン」



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