ロ包 ロ孝 2
「違うんだよタケモン。俺が変な事を聞いたから、ティーさんが大きな声を出してしまって……」

 林が慌ててその場を取り繕ろおうとするが、武田はなおもティーに詰め寄った。

「音力みたいに声で林を……」「違うんだってのに!」

 武田を羽交い締めにした林はまた、彼に一から事情を説明しなければならなかった。


───────


『そんな訳で……折角作って頂いた装置を壊してしまってすいません』

 済まなそうにティーは頭を下げたが、武田は耳を押さえて悶え出した。

「ああああっ、耳があっ! これっ、これを使って下さい」

 武田が差し出したのは新たに彼が製作した携帯用の音圧抑制マスクだった。

『すいません。もう作って頂いたんですか?』

「だ、だからこれを使って喋って下さいって!」

 ティーはそそくさと武田から渡されたマスクを付けた。

『ああ、はい。すいませんでした』

 済まなそうに肩をすぼめ、借りてきた猫のように縮こまっている。

『でも林さん、寄付の話は本当に私じゃないんです。
 協力は惜しまないつもりでしたけど、正直うちの台所も火の車なんですよ』

 ティーはチップ抜きの上がりが減った上に、私設学校や孤児の養育費がかさんでいる、赤字ギリギリの現状を打ち明けた。

『それに今回の抗争で、うちを出ていった輩も大勢居て……お恥ずかしい話なんですがね』

 ティーは頭を掻いて恥ずかしそうに俯いた。大人サイズに復活した筈の身体もやけに小さく見える。

「そっかぁ……てっきりそう思い込んでいたものですから。
 また振り出しから始めなきゃ。キューさんの心当たりなんか……無いですよね」

『ううむ……国連軍の上層部にかつての部下が居るんですが、私はとっくに死んだ事になってましてね。
 そちらではお力添え出来そうもないです。
 ではどうですか? 皆さんで蠢声操躯法をやられてみては。才能が有る方がいらっしゃるかも知れませんよ?』

「蠢声操躯法は駄目よ。ミッツィーもそう思うでしょ?」

 今まで口をつぐんでいた野木村が不機嫌そうに割って入る。


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