好きだ好きだ、大好きだ。
得点は1対5で、うちの学校の負け試合。
あーあ。
これでまた、亜矢ちゃんが荒れるぞ。
そんな事を思いながら、ボーっとその打ち上げられたボールを目で追っていた。
だけど、次の瞬間……
「……え?」
ボールを追いながら邪魔になるマスクを外して、それをポイっと放り投げたその人に、目が釘付けになったんだ。
――あれは。
「“会釈仲間さん”だ」
目を見開いたまま口を吐いて出たその言葉に、
「はっ!? 何それ!? あの人、そんな変な名前なの!?」
なんて、隣の亜矢ちゃんはありえない反応。
だけど、今はそんなのにつっこんでいる余裕さえない。
だって、その独特の形をしたグローブに、晃君が打ったフライ球をスッポリ収めたその人は――……
いつもバイト先に来る、彼だったんだもん。