好きだ好きだ、大好きだ。

それに、ゆっくりと振り向いた晃君がヒラヒラと手を振れば、亜矢ちゃんはそんな彼目がけてパタパタと走り出す。

うん。
やっぱりお似合いだなぁ。

試合に負けてションボリしている晃君と、その頭をポンポン叩く亜矢ちゃん。
本当に仲がいい二人のそんな様子を見ているだけで、こっちの頬が緩んでしまう。

「ふふふっ」

1人だという事も忘れ、小さく笑った私が、一瞬感じた視線。

ゆっくりとその方向に顔を向けると……

「――……っ」

驚いたように目を見開く彼と、視線がぶつかったんだ。

遠くからでも分かる。
やっぱり彼の瞳は、綺麗。

ギュッとなった心臓のその緊張を(ほぐ)すように、私は“ふぅー”っと、細く息を吐き出す。

落ち着け、落ち着け。
だいたい彼は、私があのバイト娘だって、気付いていないかもしれないし。

だけどそんな私の心臓事情に気付くはずもない目の前の彼は、いつものように――

小さくペコリと、会釈をした。


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