好きだ好きだ、大好きだ。

あの“不思議空間”と、いつもの私の“生活空間”。
私という点以外で、交わる事がないと思っていたその2つの空間。

だけどそこに“会釈仲間”の彼というもう1つの点が加わって、それがすごく不思議で面白くて。

「あはっ」
私は思わず、笑ってしまった。

今日も彼は、いつも通り。
だけど、つい笑いながら会釈をした私を見て、またその瞳を見開いたあなたが、ほんの少しだけその瞳を細めて、小さく笑った。

「……」
笑うと、ちょっと可愛いかも。

その笑顔に、また少しだけ
胸が苦しい。

でも苦しいはずなのに……。
薄ピンクの桜の花びらが咲いたみたいに、心がふわっと明るくなる。

今日も、バイトがある。

――もしまた今日も逢えたなら。
“会釈仲間”から、少しは進歩出来るかな?

そんなことを考えながら、遠征用のバスに乗り込む彼の背中を見送った。


< 19 / 232 >

この作品をシェア

pagetop