好きだ好きだ、大好きだ。

そんな事を思いながら、再びノートに視線を落としてシャーペンを走らせる。

だけど、頭上から聞こえた“コンコン”というガラスを叩く音で、私は顔を上げて――固まった。

「えぇっ!?」

そこにはいつものように、白と黒のユニフォームを身に付けた彼の姿。

えーっと!!
何だっけ、何だっけ!?
あ、そうだ!! 窓っ!! 窓、開けなきゃ!!

「は、はいっ!」

無駄に勢いよく出てしまった、自分の声。

それが恥ずかしくて……

「ど、どうされましたか?」

次に出たその言葉は、尻すぼみ。

何故か手の平には大量の手汗をかいていて、それを履いていたスカートでギュッと拭いてみたりして。

「あー……カード、お願いします」
「あっ、はい! カードですね!! 6回と12回がありますが」
「12回の方を5枚」
「はい。1万円になります」

しかも、まさかの大人買い。


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