好きだ好きだ、大好きだ。
「あ、あのさ?」
「んー?」
「名前、なんていうの?」
よ、よしっ!!
グッジョブ、私!!
心の中でガッツポーズを決めた私は、息を呑みながら、彼からの返事を待った。
――それなのに。
「……」
「ん?」
私に向けられたのは、ちょっと顰められた彼の顔。
そしてそのまま、頭をガリガリ掻くと、私から視線を逸らし、下を向いて……
「城戸 夏希」
ボソッと、その一言だけを口にしたんだ。
「夏希君?」
「……」
「え?」
名前を復唱した瞬間、私に向けられたのは、心底嫌そうな顔。そして“はぁー”と、深い溜め息までお見舞いされた。
「女みたいな名前だから、あんま好きじゃないんだよ」
ふぅーん。
だけどさ――。
「そうかな? 綺麗な名前だと思うけど」
“夏希君”の真っ黒だけどキラキラな瞳は、夏の星空みたいだし。
すごく似合ってるって、私は思うんだけどな。