好きだ好きだ、大好きだ。

「あっ! もしかして、夏生まれ? そうだとしたら、私と一緒!」

笑顔でそう言った私に、これまたゲンナリした顔を向けた夏希君。

「……春。俺、5月生まれだもん」
「……」
「兄貴が“春希”で、“春”はもう使えないからって」

な、なるほど。

「じゃ、じゃー、お兄さんも春生まれなんだ!」

取り繕うように、慌ててそう口にした私に向けられるのは、半ば呆れたような視線。

「――秋生まれ」
「……」

もう、何だろう……コレ。

「ぷっ!!」
「笑うなよ」
「だって……! あははははっ!!」

夏希君はもっと大人っぽいイメージで、そんな彼を育てたご両親も、もっとビシーッとした人達なのかと思っていた。だけど、それから聞いた話しも笑える話ばっかりで。

「ホント、適当な親なんだよ」

そんな事を言いながらも、どこか嬉しそうに笑う夏気君は、すごく家族が好きなんだなぁと思った。

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