好きだ好きだ、大好きだ。
“キレイだなぁ”――その人の打球を見て、感覚的にそう思った。
電気が灯された緑のネットに囲まれるその打席で、すごい速さで飛んでくる球を更に凄い速さで打ち返す、その人。
バットに当たった真っ白なボールは、快音を響かせた後、ライトの光がキラキラする、そのさらに先の紺色の空に向かって“ヒューン”と飛んで行く。
こんな所で働いている私だけど、別に野球が出来るワケでも、好きなワケでもない。
でも、こういう景色はすごく綺麗だと思う。