好きだ好きだ、大好きだ。

顔を真っ赤にする私を見て、大笑いした夏希君は、遠くからチームメイトに呼ばれるまで笑い続けた。
だけど、不貞腐れて唇を尖らせる私を、涙を浮かべた瞳で見つめて言ったんだ。

「さっきのトンネルの所で、ちょっとだけ待ってて。多分10分くらいで行けるから」
「え!?」
「じゃー、またあとで。それまで帽子かぶっといて」

どうやら、ゴハンに行くことは決定事項となり、帽子は人質になったらしい。

いや、むしろ逆!? 私が人質!?
よく分からないけど、とにかく私の頭の中は大パニックで……。

「ああああああ亜矢ちゃん」
「んー?」
「どどどどどどーしよう!?」
「知らないよー。てか、私は帰るから」
「はぁっ!? なんで!? どうして!?」
「ちょっと!! 暑苦しいっ!!」

すがりついた私の腕を、ペシッと叩き落とす亜矢ちゃんは、どこまでも冷徹だ……。

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