好きだ好きだ、大好きだ。

テクテクと、市民球場から真っ直ぐのびる大通りを歩くこと数分。

「なんか食いたいもんある?」
「……アイス」
「は?」
「暑すぎるー!!」

まだ6月前にもかかわらず、ジリジリと照りつける太陽に、()を上げたのは私だった。

「俺はメシの話をしてたんだけど、まぁいいや」

隣りで笑う夏希君はさすがは野球少年といった感じで、私とは正反対に涼しげな顔をしながら、近くにあったスーパーに向かって歩き出す。

「ついでに買い物してっていい?」

クーラーがよく効いているスーパーに入ると、買い物カゴに手を伸ばした夏希君。

「なんの買い物?」
「朝飯とか」
「……初めてのおつかい?」
「アイスおごろうと思ったけど、やめた」
「あぁっ!! ごめんなさい! ウソです!!」

慌てる私の横で“くくっ”と笑った夏希君は、手に持ったカゴにパンとか飲み物とかをドンドン放り込んでいく。

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