好きだ好きだ、大好きだ。
「今日はサボったけど、甲子園行ったら今年も応援しに行くからー」
笑いながらそう言って、夏希君の腕の辺りをバシッと叩いた彼女。
「……っ」
こんな事で、気持ちが沈んじゃうなんて、私はどこかおかしくなってしまったのかもしれない。
夏希君の“急いでるから”という言葉に、ちょっと唇を尖らせたその子は――最後にもう一度、私をチラッと見たあと、夏希君に手を振って去っていった。
「ごめん」
「え?」
「退屈だったよな?」
「ううん! 全然平気だよ!」
笑いながら言った私だったけど、本当は、ちょっとだけイヤだったんだ。
夏希君とあの女の子のことがじゃなくて、自分がイヤだった。
恋をする気持ちって、もっとキラキラわくわくするものだと思っていたから。
だからこんな風に、自分の性格が悪くなっていることがイヤだったんだ。