揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
2人は、突然の事にシーンとしてしまい。

ぽかんと口を開けて、揃ってこっちを見ている。


し、しまった!つい本音が……。

この気まずい空気を、何とかしないとっ。


「どうしたの?由佳」


お母さんが、驚いた顔でこっちを見ている。


そりゃそうだよね。

普通に考えたら、『どうしたの?』だよ。


「そ、その生意気な水沢って子の彼氏になるような変わり者は、一体どんな人かなぁーなんて思ってさっ」


し、自然だよね?この訊き方。


でも、大翔君の事を『変わり者』扱いしてしまった……。

いい方法が浮かばなかったからとはいえ、軽い自己嫌悪だよ。


「大翔?昨日姉ちゃんが名前訊いた奴だよ。あいつ、5年の終わりに転校して来たんだ」


転校生だったんだ……。


「元々はこっちに住んでたみたいで、幼稚園が一緒って奴もいてさ。水沢もそうらしいよ」


それって、いわゆる幼なじみってやつ?


「こっち来る前からつき合ってた、って噂だけどさ」


小学生で遠距離恋愛……。

大翔君…彼女は、そんなに魅力的なの?


「お互いの家とか泊まってるらしいぜ」
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