揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊤
ビクッ


驚いたのか嫌なのか、彼女の体が跳ねるのが手に伝わった来た。

その拍子に…俯いていた由佳の顔が上を向く。


「……!?」


涙で次々と頬を濡らす彼女を。

俺は、抱きしめずにはいられなかった。


「何で…泣くの?そんなに、俺の事嫌い?」


これ以上泣いて欲しくなくて、彼女をきつく抱きしめる。

俺のせいなのか?と思いつつ、この手を離す事が出来なかった。


もう…離したくない。


「……も」


消えてしまいそうな声で、彼女が何か呟いた。


「由佳……?」


どんな表情でそう言ってるのか、俺には見えない。

だから、懸命に耳を澄ました。


彼女の声を、全て聞き取りたくて。


「……私も」


今度は、さっきよりはっきり聞こえる。

小刻みに震えたままの体は、彼女の声までも震わせる。


「私も…教えて欲しいよ。どうやったら忘れられるのか」


その言葉に、俺の鼓動が自然と速くなっていく。

だって、そんな事を言われたら期待してしまう。


もしかして、由佳もまだ…って。
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