レモンムスク


「何?どうかした?」


私は、振り返って治樹をじっと見ている体制のまま、考えていたため、見つめていると勘違いされたみたいだった。




「別に何でもありません。」



私は平常心を装って、前に向きなおした。






「まじ何ー?治樹に用があるんだったらあたし達通せっつーの眼鏡女!」




知りたい。

この治樹という男…

もしかしたらあの人かも知れない。





と思った矢先、



「ちょっと来いよ。」
「!?」


私は治樹に腕を捕まれて廊下に引っ張りだされた。


< 13 / 17 >

この作品をシェア

pagetop