闇夜に笑まひの風花を



__雪。
そう、雪が降っていた。

裕と彼女が出会った日も、
裕が母を喪った日も、
昨日の夜も、
今日も。

空から純白が舞い落ちた。

けれど、
絶望した彼女の視界は黒に染め尽くされ、
その瞳に白は映らなかった。



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