月を狩る者狩られる者
「ちゃんと食ったな。じゃあ、ご褒美だ」

「え?」


朔夜はニヤリと笑い私の唇に指で触れる。

じっくりと指の腹で撫で、離したかと思うとその指を自分の唇に当てた。

そのまま自分の唇を撫でた朔夜は、妖艶に唇を舐めとった。


「っ!?」


間接的に唇を舐められたような感覚になる。


緩やかな仕草が逆に恥ずかしい。


朔夜に魅入られ、力が抜けた私の腕を取った朔夜は、私の頭の横にその腕を置き、手首を伝って手のひらを合わせ指を絡めた。


「んっ……朔…」


何がしたいのか聞こうとして止めた。

覆い被さる朔夜の顔が、じりじりと近付いて来たから。
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