月を狩る者狩られる者
怒りも湧いてきたけれど、私はとにかく朔夜のもとへ行きたかった。

十六夜から離れたかった。



目の前にいるのに届かない。

もどかしい。

動けない自分が不甲斐ない。



助けて……。


「助けて……朔夜ぁ」


それが、やっとのことで出せた声だった。


でも、私のその言葉を聞いた十六夜の雰囲気が一変する。

内にくすぶっていた狂気が、一気に表に出てきたかのようだった。


私の首を掴んでいた手が髪を掴み引っ張る。

「うっ!」

痛みで歪む私の顔に十六夜の顔が重なる。
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