月を狩る者狩られる者
噛み付く様にキスをされる。

優しさなんて欠片もない、痛くて、苦しくて、気持ち悪いだけのキス。


「うんんぅ!」


「貴様!」

ガツッ

朔夜の怒りに満ちた叫びの後、鈍い音がすぐ近くで聞こえた。

朔夜が十六夜を殴り飛ばしたんだ。


十六夜と一緒に飛んでいかないように、朔夜が私の腕を引っ張る。

そのまま私は朔夜の胸に飛び込んだ。


「朔夜ぁ……」

朔夜は泣きながらしがみつく私の肩を掴んで、しっかりと抱き締めてくれる。



「殺してやる……」

殴られた十六夜がユラリと立ち上がって、低い声を出す。
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