月を狩る者狩られる者
頭を掻き乱し絶叫する十六夜を横目に、朔夜は私を見た。


「俺が奴を片付ける。お前は眠れ」

「え?」


どういうことか聞き返そうと、目を合わせた瞬間突然眠気が襲ってきた。


――っこれ、催眠術!?


すぐに気付いて視線を逸らしたけど、一度かけられた催眠術はただの人間である私には解くことも出来ない。

朔夜の腕の中で、私は閉じようとする目蓋を必死に上げていた。


「さく……や?」


どうして?


「お前は奴を協会に引き渡すつもりなんだろう?」

私の疑問を読みとった朔夜は優しく、でもどこか信用のならない声音で話し出す。
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