月を狩る者狩られる者
そして、私の信頼通り朔夜は助けてくれた。


目にも止まらぬ早さで十六夜から私を引き離し、その腕の中に私を閉じ込める。


私は朔夜の動きの速さに面食らってしまったけれど、彼の腕の中にいると気付いて安堵し、思わず彼を抱き締めた。

「朔夜っ……!」


朔夜はそんな私の顎を掴み、キスをしてくる。


優しくて、強引なキス。

ねちっこいほどに絡みつく舌に、私は現状も忘れかけた。



すぐ近くに十六夜もいるのに……。

見られて、いるのに……。


ううん、むしろ朔夜は見せびらかしていたのかもしれない。


自分のモノなのだと。



「やめろーーー!」

十六夜の叫びが廃ビル全体に響き、朔夜は私から唇を離した。


「もういい! 殺してやる……お前等二人とも殺してやる!」
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