月を狩る者狩られる者
「もう触るな。誰がお前なんかにやるか」

「あーこのスケベ! 私の望ちゃんに何てことするのよ!?」

「いつお前のになったんだ。望は俺のものだ」



…………なんだろうこの状況……。


今の二人は、まるでオモチャを取り合う子供そのもの。


私はもう呆れ果てて、沙里さんへの嫉妬だとか悔しさなんかはキレイさっぱりなくなってしまった。



「もう……まあいいわ。それで? 何を聞きたいのかしら?」

何とか落ち着いて席に座り、沙里さんが言う。

その様子は、さっきまで朔夜と子供みたいに言い争っていたとは思えないほど落ち着いたものだった。
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